by Utayo Furukuni
vol.05
 

四半世紀の荷物整理


四半世紀の荷物整理…と言うと、なんとも大袈裟な気がするが、実際、未だに腑抜け状態が続くほど、しんどい作業であった。弟が今冬(それもクリスマス…)、結婚することになり、実家に残してある私の荷物を全て片付けよ!と、先日、母からのお達しがあった。2階に自分の部屋がある(もう、部屋があった…と表現すべきか)のだが、2階は全て、弟夫婦が暮らす場所、つまり、母親と同居!というわけ。周りからは「色々と大変なんじゃない?」と言われたりもしたが、私としてはありがたい。父親が3年前に急逝、私は東京に住んでいるし、母親にとって頼りになるのは弟だけで、まぁ、ほっとした次第。ナイスな小姑になりまっせ。(笑)大変なのはむしろ、大量の荷物を2日間で整理することだわさ…。(苦笑)


自分にとっての居場所はどこだろう?と考える時、不思議と茨城はあまりピンとこない。自分が生まれ育った、今の生活基盤である台東区か、むしろロンドンのような気がする。茨城とは私が成長した通過点でしかない土地…。だから寂しいなんて思わない。な〜んて書くことが寂しいことかもしれないが、実際、そんなもんである。


さてさて、四半世紀の荷物整理は…、浦島太郎の玉手箱じゃないが、いやぁ、開けた瞬間、白いけむりの代わりにホコリがびっしり(笑)、そして、それぞれの荷物を見ながら、時代トリップに陥った。こんなこと、あんなこと、あったでしょ〜。そして、今まで忘れ去られていた、およよ?なものが、どっしりと発見され、今はそれらをまとめ、実家の押入れ(無理やり入れてきた)に眠っている。母よ、お願いだから、水とりぞうさんを忘れずに入れといとくれ!ではここで、暴露しちゃいませう!なんなんだ?この品物ベスト5!


第5位 映画のパンフレット


洋画にはまり出したのは、中学生になって、『アウトサイダー』を見てから。マット・ディロン、トム・クルーズ、ダイアン・レイン等、今でこそハリウッド・スター!と呼ばれている俳優たちが大集合!おまけに監督はフランシス・F・コッポラ、主題歌はスティービー・ワンダーが歌う『Stay Gold』で、幼いながらノックアウト(←死語)されちゃったのだ。なけなしのお小遣いで、ポスターやパンフレットを買って、毎日眺めていた。

いやぁ〜、結構、映画は見ていたんだなぁ…と思った。何せ田舎は2本立て上映で、1000円で見ることができたし。それにしても出てくる出てくる…。今じゃ絶対見ないだろう、ハリウッドの大作パンフレットもたんまり。そういや、『トップ・ガン』と『プリティ・イン・ピンク』が同時上映され、私は『プリティ〜』に青春ポロリと共感した。大好きな映画。サントラも最高だ。『トップガン』はど〜でもよかった。あの頃から自分の嗜好って決まっていたのかもしれない。(苦笑)もちろん、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のパンフレットとポスター(でもボロボロ)もあり。名作だよね?その『バック〜』の同時上映は、何と『ファンダンゴ』!これ、ケビン・コスナーが主演した映画で唯一許せる作品。(笑)


第4位 ブリットポップ・バンドのポスター


まさかまさかの、ブラーのポスターには鼻血が出そうになりました。ついでにヨダレも出そうになった。(笑)あまりの興奮ぶりに絶叫してしまい、母が「何?どうしたの?」と驚いて見に来た次第。だって、グレアム・コクソン、めちゃマブイ(←永ちゃん風)んだもの!モノクロカラーで、メンバーはジャケットに身を包み、ファッションはモッズなわけです。ああ〜、これぞ美しきや若者群像!って感じで、思わず魅入ってしまった…。でも、どこで入手したかは覚えてない…。



もう一つおまけにスウェードの超デカポスター!それが『メタル・ミッキー』EPのジャケットまんまのデザイン。そして何故か、サイモンとマットのサイン入り。これもどこで入手したか覚えていない…。なんでだろう、なんでだろう、なんでだ、なんでだろう…。


第3位 バンドTシャツ


これもねぇ、カビがスクスクと育ってました。(苦笑)でも、母親がワイドハイターで洗濯してくれたところ、何とか見苦しいTシャツではなくなり、ほっとした次第。ロンドン・ハイドパークで行なわれたプリンス・トラストでは、ザ・フーが『さらば青春の光』をロック・オペラで再現。その時に買ったTシャツ、ジョージ・ハリソンとエリック・クラプトンが東京ドームで一緒にプレイしたロック・レジェントTシャツ、ジョン・レノン生誕50周年記念に東京ドームで行なわれたイベントTシャツ(やはり忌野清志郎が一番クールだったわ…。)、レディオヘッドの『Anyone canplay guitar』Tシャツ(シングル・ジャケットまんま。今じゃ着る勇気はないくらいダサダサダサイ…)、そして、愛しいキングメーカーのロズ様(←ヨン様風に表現)がプリントされたTシャツ等々、汗ジミあろうが、XLサイズでブカブカだろうが、処分できないっすよ…。



第2位 トム・e・ヨークからの手紙


これは…、結構というか、かなり心臓バクバクもんに驚きました。だって、世界のレディオヘッドのシンガーであるトム・ヨークの直筆レターっすよ!おまけに初期レディオヘッドのステッカーまで同封してくれてました…。レディオヘッドはオックスフォードにファン・クラブがあり、スタッフはこつこつ、ファンの為に活動していたんだと思う。すごく良心的で、レディオヘッドの情報を快く教えてくれました。初めて『クリープ』を聴いた衝撃が忘れられず、「どうしてもライヴが見たい!」と、大学3年生の夏、イギリスに飛んでしまった…。レディング・フェスティバルに出演するはずがキャンセル、そりゃないっすよ!と思ったら、ロンドンのガレージというライヴ・ハウスでプレイする情報をゲット、「ふんがっふっふ!」とチケットを購入した。そして先日、部屋(東京よ)にあるレコードを何気に見てたら、『クリープ』の7インチに、ガレージでのライヴ・チケットが封入されており、何と!そこにはトムのサインがあった…。ぼんやりと蘇える、あの頃の思い出…。


Radiohead@The Garage  
1993-09-01
 


それはさておき、ライヴに感銘した私は、早速、ファン・クラブにファン・レターを送ったのだろう。それでトムから返信があったのではないかと。約10年前、世のレディオヘッド・ファンは、きっと、トムの独創性溢れる?手紙を受け取っていたに違いない。って言うか、正直、あまりのアーティスティックな筆跡に「何が書いてあるんだ?」と、頭を傾げたのも事実。(苦笑)でも、「もうすぐ日本に行くから、我慢だよ!(Be Patient!)」とのメッセージ、その後、初来日を果たし、渋谷クアトロで見たライヴは、一生忘れられないものとなった。

そして輝ける第1位は…


第1位 ジョン・ローン サイン入りフォト!
(おまけに私の名前入り)


元祖美形アジアン・スターのジョン・ローンに惚れて、ファン・レターを書いたんでしょうねぇ…。中学生の頃、愛読雑誌はスクリーンやロードショー(青かった…)で、そこにファン・レターの宛先が載っていて、思わず英語で書いちゃった…ってヤツです。何を書いたかは全く覚えてないが、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(マイケル・チミノ監督作品)では、マフィア役を演じたジョン・ローンの端正な顔立ちにときめいてしまい…。主役、ミッキー・ロークを喰っちゃった演技と存在感!あの役のおかげで日本でも人気に火がつき、サントリーのコマーシャルにも出演したはず?あれ?コマーシャル出演は『ラスト・エンペラー』公開後だったっけ?忘れた…。


ともかく、さすがはハリウッド!宣伝用のフォトに彼のサインがあり、おまけに、To 誰々へ(私の名前よ)と書いてあった!サンキュー・レターは、トム・ヨークとは違い、普通の文面のタイプ打ちだったけど。(笑)ああ、アジアン・ビューティー男性版だったわ…。今はいずこ…。


でもって、今のBGMはレディオヘッドの『ポップ・イズ・デッド』EP(12インチ)です…。


2004-08-30



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