directed by Quentin Trantino 2003年10月10日全米公開 by ise |
昔の仲間とそのボス、ビル(デヴィッド・キャラダイン)に裏切られ、結婚式の最中に襲われた元殺し屋ブラック・ナンバ(ユマ・サーマン)。命は取りとめたが、おなかの子供を失い、昏睡状態に落ち入る。4年後目覚めた彼女は自分をハメたかつての仲間たちへの復讐を誓う。相手は5人、いずれも最強の暗殺者たちだ。そしてボスのビルは彼女の子供の父親でもあった・・・。 |
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これがタランティーノの4作目。もっと撮っていたのかと思っていた。とにかく公開前から話題沸騰。日本刀を構えたユマ・サーマンのポスターガンガン、監督、俳優連の来日プロモ、エトセトラ、金かかってます。「深作欣二にささげる」などという献辞も「ケッ」とか言いながら日本(映画)人の優越感をちょびっとくすぐってくれる。 |
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タランティーノが評価のわかれる監督なのは周知。好きな人は熱狂的、嫌いな人は映画どころか監督のあのアゴがきらいとまで言う始末。イギリス新聞のレイトでも保守系のタイムズなどは評価は低いけれど、サブ・カルに通じたガーディアンなどは満点、大衆紙サンは当然高得点(これはサブ・カルなど関係なく、アドレナリンの分泌量で評価したものと思われる)。要は彼の映画小僧ぶりを一緒になっておもしろがれるか?だと思う。 |
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フラッシュ・バックを使ったストーリー構成も健在。これは何章の何部だと説明がついたりするが、そんなのは見出したらどうでもいい。つぎつぎ押し寄せるカットにくぎ付け、ただ画面を見つめるだけだ。 |
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冒頭の、ナンシー・シナトラ'My baby shot me down...' をバックにしたユマのモノクロのアップ、あまりにもカットにぴたりとくるのであざといが、きれいだ。最初の復讐シーン(復讐リストでは2番目)、ユマがターゲットを殺したあと、その娘にむかって「これには正当な理由があるけれども、あなたが大人になったとき、まだ許せないなら、そのときは待っている」と告げるところがある。えらくフェアじゃないか?このカンフー・シーンといい、キッチンで展開される日常生活の中のヴァイオレンスが今までになくリアリティを持っていて、考えさせられもした。戦っているのが女だからかもしれない。タランティーノ、転向か? |
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と思いきや、プッシー・ワゴンと名づけられたピックアップが登場、荒唐無稽のタランティーノ・ワールドへ突入。 |
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4年間の昏睡からめざめてすぐのユマがなぜ事件から4年の歳月が経過していることを知るのか?4年間に萎縮した脚の筋肉がなぜあんなまじないですぐ動くのか?下半身は麻痺状態なのになぜ腕力は落ちていないのか?医学的疑問がアタマの中で飛び交うが、もうすっかりユマになっている身としては「親指動け、動け・・・」などと一緒に念じていたりするのだからこわい。 |
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途中、オーレン・イシイの過去を語るためのアニメなども日本のアニメファンにはコマ数の少ない劇画調で「ケッ」だろうが、日本製アニメマニアにとってはたまらんおいしさなのだろうな。 今や日本ヤクザの大親分におさまっているオーレン・イシイ。演じるルーシィ・リュー。なれない日本語のセリフでこっちもひやひやしたが、襲名披露で自分に敵対し「あいのこ」と口にした幹部の首をズバリとはね、血の噴水をあげるシーンでの大見得にはすかっとした。 |
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なぜ機内に刀剣を持ち込めるのか?なぜ彼女は警察に追われないのか?そんなさまざまな矛盾にたいする疑問がぷくぷく湧いてくる中、東京のクラブで遊興三昧のオーレンのもとへ単身殴りこみ、殺戮シーンに突入する。ユマの殺陣はもう少し腰が沈んでいれば完璧であった。やや腰がひけるのは長身ゆえか。戦闘の後半は冗長であくびが出たが、、そのあとの雪の庭園での決闘シーンはきれいだった。BGMは怨歌、梶芽衣子、ししおどしがコーンと響く。舞い散る雪。キメゼリフは日本語。おっとこれはいったい何映画? |
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カンフー映画、ヤクザ映画、サムライ/チャンバラ映画、忍者もの、はてはスタートレックから警部アイアンサイド、マカロニ・ウェスタンまで。はちゃめちゃの妄想思い入れ映画。彼にしか作れない「タランティーノ映画」なんだ。 クレジット・ロールは「怨み節」。海の向こうのカラオケ・バーで流行ったら日本人はでかい顔で歌えるね!なつかしいジュリー・ドレフュス(NHKフランス語会話だったか?)は相変わらずの美貌。ゴーゴー・夕張、山田詠美に似てると思ったのはどうせ私だけだろうな、ケッ。 |
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復讐リストにはあと3人。そして死んだと思われていた子供が生きている・・・?このつづきはvol.
2, 来年4月公開。見届けたい! |
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2003-11-01 | |||
Kill Bill vol.2 |
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