渋谷 O-Nest / 2004年2月13日 古國 宴代 Utayo Furukuni |
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クリエイティヴで、個性的で、どこかエキセントリックなバンド/ミュージシャンに目を光らせ、世に送り出すシカゴのレーベル、スリルジョッキー。Tortoise、The
Sea And Cake、Mouse On Mars etc…そうそうたる顔ぶれがずらっと並ぶ。 そのレーベル・メイト、Howe GelbとCalifoneが日本にやって来た!かたや、Giant Sandのメンバーであり、20年以上のキャリアを誇るHowe Gelbと、かたや、異色のサブポップ・バンドであったRed Red Meatの元メンバーからなる、エキスペリメンタル音響集団Califone!ライヴ5日前、来日を知って、チケットぴあに駆け込んだ。まだチケットが残っていたのは、本当にラッキーであったと思う。ギリギリ・セーフ! |
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玉川裕高新バンド |
オープニングは、カントリー&ウェスタン(以下C&W)調のリズムに乗った、玉川裕高新バンド。ファッションも、オールドC&W風にばっちりキメキメ。微笑ましい。どこかぎこちないMCも、シンガーのキャラクター勝ち?か、なかなか笑わせてくれた。C&Wの伝説、ハンク・ウィリアムなどの曲をカバー、また、オリジナルもプレイした。中でも『俺に投資しろ!』というタイトル曲は、「日本語でヨーデル調に歌うC&Wって、意外にベスト・マッチなんだ!」と、思ったほど。ところで、この玉川裕高新バンド、バンド名が決まってないらしい。早く名前をつけて、活動をして欲しいものだ。 |
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Califone |
玉川裕高新バンドが終わると、ステージにはCalifoneのティムが現れた。自らギター・サウンドのチューニングとステージのセッティング。ローディーとミュージシャンの一人二役をこなしていた。実際、Califoneのメンバー全員が来日するかと思ったが、今回はティムとドラマーのベンのみ。バンドの中心であるティムは、少しだぼっとした服装で、メガネの奥から覗くことのできる瞳が優しく、顔はくしゃっと、はにかんでいる。ドラマーのベンは「えっ?グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシア?」と思ったのは失礼だったが(笑)、いや〜、違う意味で迫力を感じた風貌。(笑)おまけにテンションが高い!寡黙なティムと対照的である…。 |
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Set list Horoscopic. Amputation. Honey Wingbone Sawthooth Sung A Cheater's Song Pastry Sharp Michigan Girls Slow RT. Hand Million Dollar Funeral Your Golden Ass Encore (title unknown) 2 Sisters Drunk On Each Other Don't Let Me Die Nervous |
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ステージに立ち、それぞれの楽器を手にした二人は、今までとは異なるオーラをかもし出していた。彼たちを見つめる、オーディエンスの真剣な眼差しも印象的だった。ともかく、こんなに素晴らしいバンドを間近に見ることが出来るのだから、ファンにとっては喜ばしいヴェニュー・サイズ。メロウで、美しくねじれたサウンドに溶け込む、ティムのヴォイスは強烈にインテンスだ。即興的ステージの進行も、信じられないくらい惹きこまれていく。後半では、オーディエンスをステージにあげて一緒に演奏。スタッフも助っ人に。これがまた、摩訶不思議で、絵になる奇妙な風景!また、途中、Howe Gelbもステージにあがり、ギターを弾いてジョイント・プレイ。Red Red Meatからのファンも多くいただろうが、今、ティムとベンが携わるCalifoneというバンドの独創性と実験性は、これからもずっと拡がると確信。 | ||
Howe Gelb | ||
Howe GelbはCalifoneのプレイ最中、ステージにギターで参加したので、既に本物を拝んでいたが(笑)、いやぁ、かっこよかった!このライヴを実現したMap
のTour Diaryでも述べられていたが、もう銀髪ちらりのセクシーおやじ!47歳であの艶っぽさ!粋です、粋としかいいようがない。和服も、めちゃ似合でしょうなぁ。おまけに、この年齢でリーバイスのジーンズを、ああもかっこよく履きこなせるなんて、なかなかいませんぜ、旦那!プラス、トム・ウェイツばりのディープで、渋い声で歌われちゃ、腰が砕けますわ。(男性諸君も同様に感じたでしょ?) |
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そして何よりも、Howeはユーモアがある。MCは本当に楽しいし、詩の朗読を聞いているようでもあった。今回のライヴは、ほとんどが即興で、次に何が起こるかわからない、ニヤリとする刺激があった。マイク・スタンドに取り付けたエフェクトを駆使し、キーボードの上には、様々なCDを置いて、音楽をサンプリングしながら、ピアノやギターに合わせてプレイ。そんなHoweは「今日はサッド・ソングを歌うよ」なんて、また渋い声で言うわけです。(後半からはハッピーになったようで(?)、パンチの効いた曲をプレイ。これも演出!)ステージ前方では、おこちゃまがチョロチョロ、ギャーギャー騒いでいたのだが(苦笑)、そんなおこちゃまにも笑顔を向けて、デジカメで撮影するHowe。ゆったりとした時間の流れ、時に淡々としながらも、目が離せないくらい、Howeの存在感がステージ上で光っていた。 |
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途中、The Bandの『The Weight』(布袋寅秦が出演しているウィスキーCMのBGMっす)をカバー。Califoneのドラマー、ベンも登場!した。Howeはオーディエンスに「一緒に歌おう!」と言うが、まぁ、英語はなかなか大変なもので…。それに、若い世代は知っているのかな、この曲?な〜んて思った。 | ||
アンコールでのジャム・セッションは、最高に素晴らしかった!ジミ・ヘンドリックスの『見張り塔からずっと』をプレイしたのだが、何たるエモーション!サウンドがダイレクトに伝わってくる。「日本のバンドも呼んで来い!」というHoweの一言で、玉川裕高新バンドのメンバーもお呼ばれ。最初はきょとんと、「何が始まるんだ?」という感じであったが、そこはさすがミュージシャン!楽器を手に持つと、すぐに調和を取り、セッションにのめり込んでいった。サウンドが弾けると、どんどん雰囲気も高揚していく。私は、彼たちのミュージシャンシップに感服し、本当の意味でライヴを実感。HoweもCalifoneも、心底楽しそうだ。もう、かっこよすぎ!最後に、Howeはカラオケをしたかったのか?「みんなでカラオケ行くぞ!」と息巻いていたが、果たして行ったのでしょうか?「クイーンを歌おう!」なんて言ってたなぁ。Howeの歌う『ボヘミアン・ラプソディ』、聞きたいかも。 |
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トータル、約3時間のライヴ、足がもつれ、さすがに年齢を感じた次第…。(苦笑) | ||
このライヴを実現された Map さん、本当にありがとうございました。 尊敬と信頼と愛情を込めて。 Howe GelbとCalifoneのTour Diary はこちらから! http://www.mapup.net/channel10/tour_index.html |
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★さて、帰りに少しだけ、運良くティムと話すことが出来た。それは、アメリカのバンド、Wheatの話。WheatはRed Red Meatの大ファン(ってことは、Califoneもでしょう!)であり、ティムもWheatを絶賛していた。Wheatは最新アルバム『Per Second, Per Second, Per Second…Every Second』を昨年冬にリリース、更なる評価を得ている。是非、来日してほしい。また、ありがたいことに、セット・リストをティムから貰ったのだか、ティム曰く「プレイを進行していくうちにだいぶ変動があった」模様で、上記セット・リストは、あくまでも写しただけです…。すみません。 |
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