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OSAKA -2003年12月16日
伊勢 良子 Yoshiko Ise

TOKYO-2003年12月18日
古國 宴代 Utayo Furukuni
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SET LIST

Feat Of Drowning
Apologies To Insect life
The Spirit Of St.Louis
Childhood Memories
Favours In The Beetroot Fields
Something Wicked
Remember Me
The Scottish Wildlife Experience
Blackout
A lovely Day Tomorrow
The Lonely
Carrion
Lately
&
the title unknown

大阪・心斎橋 CLUB QUATTRO

ブリティッシュ・シー・パワー、大阪クアトロライブ、非常によかった。何がよかったかって、ヤンの目のすわり具合が尋常でないのがいい。自分たちの音楽にどれほど深く関わってきたか、どれほど強く信じてきたか、それがわかる目つきだった。

PUKKA、ふるくによりBSPのことはかねてよりふきこまれていた。来日が決まったときは速攻チケットを確保したが、アルバムは聴かなかった。まっしろな状態でライブを見てみたいと思ったのだ。インターネットで聴いたRemember Meのさわりが唯一の音的前知識。ヤンのヴォーカルはPUKKAインタヴューから考えていたよりずっとアグレッシヴな印象だった。

日本初ライブ、大阪クアトロは三分の二の入り。もちろんフロントにはすでに熱心なフォロワーがつめていたが。

前半はまあ、ふつうのノリ。流れが変わったのは後半。
途中ヤンは弟にヴォーカルをチェンジした。ちょっと空気を変えようという意図だろうが、雰囲気が冷めてしまった。声が弱い。ヤンのビブラートがかった、切迫した歌い方には緊張感があって、スリリングなのだ。そのヤンにヴォーカルがもどってからの盛り上がりはすごかった。

バンド自体がエキサイトして我を忘れたようにプレイする姿って最高。ライブですら自分たちをガードしてうちとけないバンドがあるけれど、今夜のBSPにはそれがなかった。
「こいつはオーディエンスに自分を明渡すことができるんだ」と感動すら覚えた。

途中小太鼓くんが太鼓をたたきながらフロアを練り歩くのだが、クアトロのオーディエンスはどう反応していいかわからなかったようだ。「ハメルンの笛吹き」みたいに踊りながらついていって欲しかった!そしていじわる姉さんのわたしとしては、ギターが一本調子で弱いと感じたことを記しておく。


東京・渋谷 CLUB QUATTRO


シブがき隊の曲ではないが、「バージン・ショック!」とは強烈なもので、初めて見た、感じたイメージは、そう簡単に脳裏から離れない。イギリスでのBSPのエキセントリックなライヴ・パフォーマンスが鮮明にフラッシュバックされ、再び体感できることに気分は高揚していた。ビールにほろ酔いし、体温がどんどん上がっていくかのような錯覚に見舞われる。もう、「来るなら来い!」って感じで、始まりを待ち侘びた。

日本公演では、ステージ上にスクリーンがない分、印象が薄くなったのは否めない。私が初めてBSPを見た時は、フレーミング・リップスのサポートをしていたからこそ、スクリーンを活用出来たのかも!と今更ながら思う。が、小道具やら、衣装は、イギリス同様、まんまBSPでニヤリ。前半、印象としては、バンドもオーディエンスも、互いに遠慮(というか、オーディエンスは圧倒されていたのかも)しちゃっている?雰囲気があったものの、前方は夢中になったGo Crazy!ファンで盛り上がっていた。

しかし、その距離が大接近するのに時間はかからなかった。特に『Remember me』からは、すこ〜ん!と何かが弾けた。デビュー・アルバムをリリース以来、イギリスではそれまで以上にライヴ・サーキットに勤しんだBSPの確信、マジック、感性が狂ったようにぶつかり合う。BSPは見事にオーディエンスを、彼たちの世界に溶け込こませたのだ。この瞬時のカオスこそ、ライヴにおける究極の至福感。皮膚に突き刺さるほど美しいサウンド、ヤンの壊れたヴォーカル、喜劇風パフォーマンス、それらがドラマティックに、エモーショナルに、けしかけている。音楽だけを聴いていたら、「何てストイックで、何てナイーヴなんだろう」と思うだろうが、ライヴでの「イッちゃった具合」は、多くのファンを騙しているよなぁ。(笑)

『The Lonely』〜『Carrion』〜『Lately』と続くメロディックなメドレーは、ビートルズ『アビーロード』の目玉、『Golden Slumbers』〜『Carry That Weight』〜『The End』に勝るとも劣らぬ、完璧な流れであった。心揺らめき、涙目で感動すらした。そして、ラスト・ソングのマッド・ワールド空間は、たまらなく奇妙で心地よかった。あのサウンド・ジャムは、普通じゃない!大阪同様、東京でも小太鼓くんが、ヴェニュー内を歩き回っていたが、「ハメルンの笛吹き」みたいに、踊りながついて行く者はいなかった。(笑)しかし、彼の行動を機に、雰囲気を煽ってエキサイトしたオーディエンスがいたのも事実。もう、ぐじゃぐじゃノイズは最高だ!

欲を言えば、スクリーンから映し出される映像(やっぱり映画『天国への階段』かな)と共に『Heavenly Waters』を、やはり聴きたかった。これこそ、私が多々いるバンドとBSPの一線を引いた曲だから。今度は単独公演でカモーンだよ!

 BSPは2004年4月、イギリス・ツアー予定です。
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