Fuji Rock Festival, Green Stage

もう9月も半ばです。フジロックから1ヶ月以上経とうとしている…。フジロック・レビューなんて、とうのとっくに、どこでも特集されており、「もう、読み尽くした!」と思われている皆さん!PUKKAは、今になってようやくレポート着手。すみません…。
Films index2


東京の喧騒から離れ、一路、越後湯沢駅へ。そこからシャトルバスに揺られること30分、フジロック・フェスティバル会場は、大自然に囲まれた、のどかな雰囲気だった。もう、これでもか!というくらい、マイナス・イオン(それもタダ)を吸収、いやぁ、久々に人間らしい生活に戻れました…。(涙)会場内はクリーンで、目に良い緑の山はどど〜んとそびえ立ち、屋台の食べ物も美味で、お手頃価格!総合的に見ても、世界トップ・クラスのフェスティバルではないだろうか?何せグラストンベリー・フェスティバルなんかは巨大すぎて、移動するだけで疲れてしまうほど。その点、フジロックは適度なサイズで、マイルド(時に緊張あり…)なリラックス感がとても気持ち良かった。


と言うわけで!PUKKAでは他では読むことのできない?フジロック迷・珍場面を再現すべく、ここにお届けします!


2004-07-30-Friday
British Sea Powerで始まり、British Sea Powerで終わった1日目。


当日入りした私とViolet the drunk、いろいろとあったが、無事、宿泊先到着した時はほっとした。私たちが宿泊したところは、会場から少し離れたところにある西武ヴィラクリスタル。知り合いのつてで宿泊することができた。フジロック間近になって「宿泊はどうする?」とバタバタしたが、本当にラッキーだった。ただあの辺り、西武系列の似たような名前の宿泊施設がたくさ〜んあるのよ。だから「ここだ!」と思って坂を登ったら、全く違う宿泊施設…。行ったり来たりで疲れてしまった…。が愚痴を言っても始まらん!


おすすめ宿は、サンシャイン苗場!
送迎バスもバッチリ!
会場は町の中心にあり、西武ヴィラクリスタルから会場まで迷わなければ歩いて20分くらいの距離。朝は全く問題ないが、夜は町の中心を過ぎると何も見えない暗闇に…。朝9時過ぎ、宿泊先に荷物を置いて、すたこらさっさと会場に向かった。とことこ坂道を歩いていると、一台のバスが止まった。西武ヴィラクリスタルの前にあるサンシャイン苗場の旅館のおやじさんで「フジロックに行くのかい?だったらこのバスに乗ってきな!」と言ってくれた。おまけに「夜は12時から2時まで30分おきにバスが出ているから、乗っていいからね」と。何と親切なおじさん!人の親切が心にジーンと染みた瞬間だった。皆さん、フジロックに行く際は、サンシャイン苗場、おすすめです!この場を借りて、おじさん、ありがとうございました!


ああ、美しきかな、
BSPと朝のひととき…
ともかく初日はBritish Sea Power(以下BSP)!私はBSPとピクシーズさえ見ることができれば、初日はもうおなか一杯!というくらい、この2バンドに集中していた。BSPはグリーンステージ(ここがメインです)のトップバッター。朝11時スタートしたショーは、演出効果もばっちり、自信みなぎるエネルギッシュなパフォーマンスであった。『Remember Me』がプレイされると、ファンは立て揺れバンザイ!個人的には『Carrion』と『Lately』が続けてプレイされ、目頭が熱くなった。本当に美しい曲である。


British Sea Power
スペースシャワーのブースにミュージシャンが!しかし…

BSPはスペースシャワーが主催するブースに、ゲストで呼ばれてアコースティック・ライヴを披露。手ぬぐいを被ってなんともおかしな格好のハミルトン。でも、天から舞い降りた大天使ミカエルのような彼は、どんなにヘンテコな被りものをしても美しいのよねぇ。ただスペースシャワーが用意した司会進行が私には不服で、全く面白くなかった。だいたいオーディエンスに「みんなはもうセカンド・アルバム聴いたよね!すごく良かった!と俺が言ったら拍手して!」って、まだセカンド・アルバム、リリースされてないんですけど…。勿論、盛り上げるためのジョークだろうが、何と言うか、バンドにもう少し敬意を払ってトークをして欲しかった。だったら「セカンド・アルバムはどんな感じで進んでいますか?」と聞けばいいじゃない!正直、呆れたトークショーという感じで、BSPもどうリアクションしていいかだったよなぁ〜。これもお祭り騒ぎの一環なのでしょうが?


ズートンズ、日本侵略大成功! 輸入盤レコード店では、大プッシュされていたズートンズ。ファースト・アルバム『誰がズートンズを殺ったのか?』という邦題に、かなり引いてしまい、あまり気にしていなかったのだが、やはり見ることにしてレッドマーキーへ。何と言ってもリバプール出身なもので。ところがこの駆け引き?が大成功!いやぁ、ヘンテコ軍団が、はるばる遠く日本まで来ちゃった!やったるぜぃ!という感じ。(笑)リバプール訛りが強いMCも爆笑!ともかく演奏に迫力あり!ソウルフルだけど、どこか滑稽なのはズートンズの武器である!


その後、天気が悪いせいもあり、あまり動かずグリーンステージ近辺にたむろしていた。Violet the drunkは仕事も絡んでいるので、あちこちに移動して頑張っていた。お主、やるのぉ〜。ちょっぴり寒さに震えていた私は、「夏の日本って言っても、山は寒いんだ…」と、一応ウィンドブレーカーを持参したものの、じっとしていると寒さは身にしみて。イギリスのフェスと同じなのだわ…。


ピクシーズは、ホッカイロより勝る熱を持ってるぜぃ そのぶるっ!とした寒さを吹き飛ばしてくれたのは、やはりピクシーズ!もう、ヤローたちが大暴れしておりました!リアルタイム・ファンが大集合!したかのような、見事なヘッドバンキング!その中に入る勇気はなく?私はちょっと離れたところで見ていたが、キム・ディールが本当に楽しそうにプレイしていたのが印象的だった。ドラック中毒だった彼女を想像できない…。フランク・ブラックはただのデブじゃないんだ!ピクシーズ初体験の私は、フランクが、若村麻由美の旦那で世間を賑わせた、胡散臭い宗教家(名前忘れた)に似ているなぁ〜と思いつつ、拝んじゃいました。(笑)『This Monkey Goes To Heaven』や『Gigantic』がプレイされると、そりゃもう大合唱でした。


ナイトメア・ウィズ・ルー・リード!? 初日のトリはルー・リード。雨も降り出していたので、宿泊先に戻ろうかな?と思いつつ、やはり少しはルー・リードを見て行こう!ということになり、グリーンステージ後ろで、木の下に座り雨をしのいでいた。う〜ん、彼のショーは…、イマイチ気分も乗らず…。私が知っているルー・リードは、やはりヴェルベッツ、初期ソロ時代なもんで…。でも、本当に彼のファンであれば、きっと楽しめるショーだったのだろう。


そんなこんなで、寒さに震え聴いていると、ルー・リードが「俺のジーザスはどこ〜」という歌詞がある曲をプレイ(すみません、曲名知らず)、それに呼応して、前に座っていた身体の大きな外国人が「俺はここだぁ!(I'm here!)」と言った。お前はジーザスかぁ!あまりにおかしくて、大声で笑ってしまった。その後、彼はルー・リードの曲で『Romeo had Juliette』の曲を聴きたいが為に叫び、そしてその曲がプレイされると、立ち上がってエキサイト全開。すると、彼の後ろにいた集団が「見えないから座れ!」と言い出した。おお…、何だか怪しい雰囲気だぞ…。ところがよ〜く見るとBSP一団ではないですか!私はそれに気づき、思わず大天使ミカエル、もとい、ハミルトンと話すことができてラッキー!どうもBSPのマネージャだかが、ちょっと文句言った模様。ここは一つ、仲良く見ましょ…。このことがあり、ジーザス男と少し話していたら、イギリス出身だと言う。アクセントで何となく「イギリス人かな?」とは思ったが…。おいおい、BSPと同郷じゃない…。笑ってしまうことに、彼も本日、BSPのショーを見たと言うのだ。「さっき言い合いしていたのはBSPのメンバーだよ…」と言うと「なぬ?俺はBSPに怒られたってことか?そりゃすごいぜぃ!」ときたもんだ。やはりバカである…。そして今度は日本人に「座れ!」と怒られ、その場を去っていった…。でもさ、本当にライヴが見たければステージ近くに行くべきでしょ。後ろの方なんて、ど〜でもよく楽しむ人たちで溢れているのだから。おまけに寝ているし。何とも気の毒なジーザス男…。


このように初日は終わった…。


2004-07-31-Saturday
初日の疲労なんて何のその?ここで一句 
「快眠は、フェスを楽しむバロメーター」 by Utayo


ぐっすり眠り、気分爽快!もう、こんなにハッピーなフェスは、今までに経験なし!だっていつも寒くて眠れなかったもんなぁ。ランラン状態であったが、いざ、会場に向かうと、まったりした環境に、私自身もたらり〜んムードに一転。(苦笑)しかし、今日は結構見たいバンドがいるのよ!気合いだぁ!と、フランツ・ファーディナルドを見るためにグリーンステージへ向かう。


粋で、いなせな男たち!フランツ・ファーディナンド、日本初上陸! フジロックで初来日を果たしたフランツ・ファーディナンド。まず、なぜ私が彼たちに注目したかと言うと、大好きなレーベルの一つ、ドミノ・レコーディングとサインしたから。尊敬するレーベル・オーナー、ローレンス・ベルが見込んだことだけはある!(注:フランツ〜はイギリスで権威あるマーキュリー・プライズを受賞!おめでとう!)それにしても『Take Me Out』を聴いた時の衝撃!ああいった変曲を、究極のポップ・ソングにして、オーディエンスに大合唱させてしまうのだがらスゴイ。フランツ〜とBSPは、同時期に英国シーンに現れ、NMEなどで話題を呼んだ。だがある意味、この2バンドには決定的な違いがある。それはユーモアがあるか、ないか。(アート・センスは両バンド持ち合わせているが)。BSPはストイックでシリアス、ユーモアというよりシュール、対するフランツ〜のライヴはコメディを見ているようだ。ともかくシンガーであるアレックスのMCがうまい。必ず曲についてMCがあるのはファンにはうれしいこと。「これは僕たちが発見されるきっかけになった曲だよ」と始まった『Come On Home』、『Take Me Out』をプレイした後は「シングル曲をうまくプレイできて良かった!」なんてカワイイ。(笑) 『The Dark Of Matinee』も魅せた、聴かせた。最後はアレックスがメンバー紹介する際、プロレス中継のアナウンサー如く、「次はギタリスト!ニック・マッカートニー!ピカピカシューズのクールなヤツ!」みたいにともかく笑っちゃうんだよね。こんな人たち、なかなかスコットランドにはいません(笑)おまけにおしゃれ。アレックスのオレンジ色のネクタイもニクイねぇ!粋なことはアートである。彼たちのライヴを見て、フランツ〜人気が爆発したことに納得。知り合いは「俺にとってフランツ〜はザ・ストロークスと同じ位置」と厳しいことを言っていたが、とりあえず今後の動向を見ていきたい。個人的にストロークスとは違う方向に行くと思うのだが…。


このフランツ〜、BSP同様にスペースシャワーのブースでトークショーしていました。すごい人の山ができて、前の方はお座り指示。写真撮影禁止にもかかわらず、すごいフラッシュの嵐!皆、携帯に写真機能付きなのよねぇ〜。私、松ちゃんCMのツーカーだし、おまけに同じ携帯4年も使っているし…。デジカメで撮影したけど、機能は完全に負けた…。その証拠写真をどうぞ…。


Franz Ferdinand
越後名物?豚串焼き!

オアシスエリアにある屋台村は本当に充実していたが、やはり人気のお店は大行列!長〜い行列のため、今回、食を逃したのが豚串焼き!1本500円で、ジューシーな豚肉がたまらん匂いで食欲を誘う。ただオアシスエリアの中には「ちょいと失敗?」しちゃう食べ物もあるので(人の行き来が激しいところゆえ、作りおきされちゃうのだ)、美味しい食にありつきたい人は、ちょっと遠くてもAVALON FIELDにあるNEO VILLAGEの屋台がおすすめかも。美味しい噂を聞きました。タイのグリーンカレー、量も味もグー!だったそう。


クワガタ博士出現? Violet the drunkとオアシスエリアにある木の下で待ち合わせ。 Violet the drunkはホワイトステージでプレイしていたハスキング・ビーのライヴで、手の甲にクワガタをのせて見ていたオーディエンスを発見したそう。ペット?なぜ?やはりフェスには奇想天外な人多し…。


Tシャツはメッセージを込めて?
でもそりゃないよ…
そして、Tシャツです。手作りTシャツ着用率多しなのだが、中には困ったちゃんも多く…。あのさ、「おれの陰○ボーボー」とか、もうちょっと考えてよ…。もし友人がそんなTシャツを着ていたら、私は絶対一緒に歩かん!いくら好きな男でも嫌だ!だって恥ずかしいもん。因みに、会場内で売られている物販エリアはいつも長蛇の列。欲しいTシャツもあったけど、あの列を見たら、並ぶ気力が失せました…。


コートニー・ラヴ、さすがに今回はバックレなかったぞ! コートニー・ラヴ、ちゃんと来日しました。「今日はブラ取るかな?」「洋服脱いじゃうかな?」これはヤローどもから聞こえた会話。 「きっと今日の洋服もかわいいだろうね!」「どんな髪型にしているかな?」これは女子諸君から聞こえた会話。おいおい…、みんな彼女の音楽なんてど〜でもいいんじゃん!って、本当にどうでもよかった…。済まん。声も出ていないし、サウンドも悪いし、何か見ていられなかったので、早々に退散。話題性があることはよ〜くわかる。しかし、初日にプレイしたPJハーヴェイのクールなこと!(ペンダントのデザインはいただけなかったが…。)プロ意識とは…、ミュージシャンシップとは…、考えてしまった…。


ガンガン・グーグーでロケンロ〜ル! そして、2日目のハイライトとも言うべき、忌野清志郎のライヴには大感激。もう泣けてしまった。途中、「昔の友人にレッドマーキーで会いました。今から一緒にプレイします!」とMCあり。えぅ?まさか仲井戸?(麗蘭も出演していたので)うっそぉ〜!と思ったら、Charでした。(笑)日本ロック界の重鎮2人による『上を向いて歩こう』は、もう最高に素晴らしいロックソングに!そして清志郎は本当にロケンロールなおっちゃんで、かっこいいってもんじゃない!曲名は知らないのですが、「ガンガン・グーグー!」と歌ったあと「君のおもちゃ〜」だよ。分かります?このノリ!ガング、玩具、おもちゃ!清志郎じゃなきゃ歌えないっしょ。


私たちの前にいた男性は、かなりの清志郎ファンで、片手にビールを持ちながら超ノリノリ。風貌はみうらじゅん。グリーンステージはゆるい坂になっているのだが、この男、頭ガンガン振っていたら、足がもつれたのか、勢い余って前の方まであららのら〜。もう、漫画です、この光景…。そして笑っちゃうことに、何もなかったかのように、踊りながら戻ってきた。しかし、彼女からお咎めがあったのか?少しの間、静かになったが、また立ち上がりロックしちゃって。清志郎マジックにかかった男に、座布団5枚!


シャーラタンズ節、グルーヴ感溢れ健在! 清志郎のライヴがラストに向かう中、意を決し、シャーラタンズを見るためレッドマーキーへ移動。私が聴きたい曲はプレイしちゃったのか、しなかったのか(『Can't Get Out Bed』と『Crashin' In』です)もう聴けなかったが、ちょうどいい具合にViolet the drunkが大好きな曲をプレイ。グルーヴ感溢れるシャーラタンズ節が炸裂!因みに、知り合いN男(イギリス人です)の青春曲『The Only one I know 』は2曲目でプレイしたそう。良かったね!


ケミカル・ブラザーズはラーメン好き? 苗場プリンスホテル近くにラーメンの屋台があり、ここでケミカル・ブラザーズがラーメンを食べていたと言う。それもトムとエド、ステージでプレイするときと同じ並びだったそう。こりゃ、和田ラヂオの漫画みたい。(爆笑)それにしてもViolet the drunkよ、ケミカル〜のライヴ中、トムに向かって「落ち武者ぁぁぁぁぁぁぁ〜!」と叫ぶのはいかんぜよ…。(注:トムは何故、落ち武者か?これは以前、NMEのケミカル〜のライヴ・レヴューが掲載、使用された写真が何とも言えず落ち武者で…。ちょうど器材のところで首下が切れ、照明具合のせいかトムの頭てっぺんが光っていたのだ…。あとは…、想像してください。それ以来、うちらの間でトムは落ち武者。グッド・ネーミング!)でもって、フレーミング・リップスとコラボレーションした曲『The Golden Path』を聴けて大満足!リップスよ、早く来日して!


アントニオ猪木の気合いは世界共通? 夜はザ・ストリーツを見て退散。それにしてもアントニオ猪木の「イチ、ニー、サン、ダァ〜ッ!」を、オーディエンスにずっと繰りかえしていた。よっぽど気に入ったのか?『Fit but you know it』は確かにブラーの『Parklife』だ…。


ルーキー・ア・ゴーゴーでレッツ・ダンシング! クラブ「ルーキー・ア・ゴーゴー」は会場外に設置され、また苗場プリンスホテルに近いせいか、ミュージシャンが多数、夜遊びを楽しんだ模様。『The Only one I know 』が青春曲と言っていたN男は、ここでシャーラタンズのベースのマーティンとドラマーのジョンを目撃。シャーラタンズはマンチェスター出身、N男もマンチェスター出身。大学時代(と言っても大学はレスターだが)、シャーラタンズの『the Only one I know 』を学生ユニオンでよ〜く聴いていたらしい。気合いを入れてマーティンと話していると「俺はバーミンガム出身なんだ」と言われ、故郷話しができなかったらしい。それゆえか?やけ酒飲んで、翌日は酒焼けして、声が出なかった…。さすがマンチェな男…。おバカである…。


2004-08-01-Sunday
のんび〜り、ゆっくり、マイナス・イオン吸収タイム!
しかし最後に待ち受けた衝撃ライヴ!


昨晩、私は寝言を言ってたらしい。それもViolet the drunkの名前を叫んでいたと言う…。えへへ、ヘンなこと言わないで良かった。(苦笑)


移動パン屋さんの掛け声は…ワンツー、ワンツー、パンパンツー! 会場ゲート近くを歩いていると、移動パン屋さんがいる。2日目までは何気に横目でちらり…と見ていたが、3日目、どんなパンを売っているのか覗いてみた。パン屋のおじちゃん、すごく優しい笑顔で、思わず「何が人気ですか?」と聞いてみた。フジロック常連さんたちには有名なパン屋さんみたいで、お客さんの中には、「○○パンはもう売り切れですか?」という会話を交わしていた。私は名物みそパンを購入!これがふかふかして素朴な味で美味しかった!そして、おじちゃんがスピーカーで流していた「ワンツー、ワンツー、パンパンツー!」という曲が耳から離れず…。何かとってもシュールであった。


ムームと癒しの極致へ… ホワイトステージ近くには川原があり、ここには多くの人々が癒しを求めてやってくる。水が冷たくて気持ちいい。緑に囲まれ、水のせせらぎに耳を澄ませ、もうヘブンリータイム。動きたくなくなるわ。するとムームの音楽が聴こえてきて、最高に気分はリラックス。しかしステージを見たいので、Violet the drunk共々、重い腰をあげて、ホワイトステージへ向かった。


ベル・セバのスチュワート、エンジ色のパンツがステキ ムームのライヴが終了すると、ベル&セバスチャンのスチュワートを発見!ファンに囲まれて、サイン攻めに合いながらも、ニコニコと応じていた。私はその姿を激写!本当に優しくて、スチュワート神父様!という感じでした。アーメン。
Stuart, Bell & Sebastian
モリッシー、フジロックをキャンセル。誰が大トリ論争、トイレで勃発!? フジロックの何に感動したかといえば、もうトイレ。めちゃくちゃキレイ!なのであった。しか〜し、あちゃちゃで、便器にタオルを落として涙したが、ともかく気持ちよく用は足せた。


トイレ待ちしていると、前に並んでいた3人組が、本日のヘッド・ライナーについて話していた。そのやり取りが面白くて。ここに彼たちの会話と、私の心情を文章形式で。


男A:「ねぇねぇ、会場にバーニー(注:バーナード・サムナーのこと)がいるって噂だよ」(筆者:「えっ?マジっすか?と言うことは、モリッシーに代わって、ニューオーダーがヘッド・ライナー?見たい!」)


すると、女A:「でも、ジョニー・マーも来ているって噂だよ!」(「なぬ?と言うことは、エレクトロニック?そりゃ、そうか、ニューオーダーだったら、めちゃくちゃギャラが高いだろうし…。」)


もう1人、友人の男B:「でもさ、意外にジ・アザー・ツーだったりして。ははは!」(「おいおい…、そりゃ絶対にありえんぜよ…。」)


そして続く、大トリの話題… トイレを済ませ、いつもゴロンとしていた大きな木の下で、Violent the drunkと落ち合い、のんびりしていると、N男とA男(A男はイギリス・ワージング出身。ポール・ウェラーと同郷)やってきた。するとA男「今日のヘッド・ライナー、ザ・ミュージックらしいよ!」と言う。「でもさ、さっきトイレに行ったら、バーニーがいるって噂なんだけど…。それにミュージックはサマソニでプレイするじゃない!あり得ないよ!」と、この私。このように、ヘッド・ライナーの噂は勝手に一人歩き…。私は「いっそのこと、マンチェスター出身バンドが集合して、それぞれ時間を割り当ててプレイして欲しい!」と叫んだ。もしくは…、ストーン・ローゼズ、フジロックで劇的再結成!とか、ドラマがあるかなと。(笑)何故なら1日目、グリーンステージから主催者が「モリッシーはキャンセルになりましたが、モリッシーファンがきっと喜んでくれるだろう人たちがプレイします!」何て言うんだもの。


そして迎えた大トリは…、スミスのトリビュート・バンド、These Charming Menであった…。


赤いホットパンツから覗く、メグの美脚に惚れ惚れ… ホワイト・ストライプスというバンドの受け止められ方は、日本と海外の差があまりに違い過ぎる。そう感じるのは、私だけじゃないだろう。海外じゃ、やんややんやの大騒ぎでライヴは進行するのだから。もう地鳴りの如くオーディエンスがエキサイトして大合唱が続くのだ。勿論、日本でもファンは確立しているのだろうが、ストロークスのように?アイドルではないホワイト〜は、どうも難しい位置にいるのではないか?しかし私にしてみれば、そのホワイト〜のファンは、音楽そのものを求めている、リアルなミュージック・ラヴァーだと思う。オープニング曲『Black Math』から、ジャックのギターはブルージーな唸りで圧倒的な存在感!続くストゥージズのカヴァー曲『TV Eye』から『Dead Leaves And the Dirty Ground』は、もう最高にカウンターパンチ!あまりのかっこよさに立ちくらみしちゃいました。やはり『Seven Nation Army』はオーディエンスに効果大で、この曲によって、ホワイト〜は日本で知られるようになったんだ…と思った。そして…メグのドラミングの上達ぶりは、非常に感銘を覚え、驚いた次第。


『I Think I Smell A Rat』を聴きながら、いざホワイトステージへ向かった。あ〜あ、グレアム・コクソンのショーが、もうすぐ見ることができるなんて!エキサイト!って言うより、もう、緊張で胃液があがってきそう…。


クレイジー・シュリンプ、ここに見参!
(←筆者のことよ)
グレアム・コクソンのライヴには、ブラー世代のファンがたくさんいたと思う。それもグレアムをこよなく愛するファンたち。勿論、ギター小僧も多かったと思うが。オープニング『Escape Song』からスタートしたグレアムのライヴ。見る限り、すごくリラックスして楽しんでいるようだ。その姿をみて、何だか涙が出そうになった。やっぱ、グレアム最高!ライヴ中、虫が頭の周りを飛んでいて「虫が髪の毛に入ってきたよ」とMC、髪の毛をくしゃくしゃかいたグレアムは、やっぱりグレアムだった。すんごくうれしい光景だった。ファースト・ソロ・アルバム収録曲『I Wish』でスイッチ・オン!私、かなりぶっ飛んでました。(笑)半径2メートル近く、人が近づいてこなかったもんなぁ。本当は最前列確保で「グレアム〜ゥゥゥゥゥゥゥ!」と叫ぶことを今回最大のミッションにしていたのだが、ベルセバ待ちファン?にまんまと占領され、あえなく退散。2列目までは行けたのだが、2列目って意外とつらいポジションなもんで…。というわけで、一歩下って、ひろ〜い場所で、ジャンプしまくり、ヘッドバンキングしまくり、腕をブンブン振りまくり、グレアムのライヴを堪能した。『Bittersweet Bundle Of Misery』はアルバム同様、手拍子ばっちりしたからね、グレアム!ミッション・オブ・バーマのカヴァー曲『That's When I Reach For My Revolver』もプレイ。そしてラスト・ソングは『Who's The Fuck?』。完全にキレました…。グレアムのギターはジェットコースター速度で、全身を駆け巡り、エクスタシーにも似た爽快感!いい汗かいたぞ!


Graham Coxon


グレアムの元気そうな姿を、この目でしかと見て心底ほっとした。あの場所にいたグレアム・ファンは、きっと同じ思いだったに違いない。ただ、私の側で「パークライフをやれ!」なんて叫ぶヤツがいたら…、たぶん殴っていたと思う。(苦笑)ケガ人がでなくてよかったぜぃ。ふぅ〜。実際、後方には、そういったおバカなオーディエンスがいたそうだが、どうぞ、カラオケに行って歌ってくれ!


These Charming Menの功績! 3日目はグレアム・コクソンのライヴで燃焼、本当に燃え尽きたってくらい、大暴れ。その後に控えていたベル&セバスチャンを見たかったが、少しゆっくりしたいなぁ〜と思ったところ、Violent the drunkから「ねぇ、今、グリーンステージはめちゃくちゃ盛り下がっているらしい…」という情報を聞き、「どれほど盛り下がっているんだ?」と、逆に興味津々。グリーンステージへ行く途中、おお!聴こえてくるのはスミスの曲ではないか!ぎゃふ〜んと走って、スミス(もどきだけど)の音楽に目頭熱く…。


そう、These Charming Menはスミスのトリビュート・バンドだったのだ!(バンド名見れば分かるか…)


男どもは大声で熱唱、カラオケ状態。ヤローファンが多いと言うのも証明されたって感じ。(笑)最新アルバムから『Irish Blood English Heart』もプレイ。そして『This Charming Man』がプレイされると、グリーンステージ前方は大騒ぎに!後ろの方にいた観客は、何だか訳の分からんバンドに「何で夢中になっているの?」という目で私たちを凝視していたが…。中には本物のモリッシーが出ているのに、盛り上がってないなぁ〜と思っていた人もいたらしい。確かにくりそつでした。(笑)ラスト・ソングは『There Is A Light That Never Goes Out』で締めくくり。もう、この曲にはしくしく涙が…。歌詞がもう、だめなのよ…。


私はスミスのライヴ未体験者であるが、彼たちのライヴ進行を見て、きっと当時は、モリッシーが先にステージを去り、その後、ギターが去り、そしてドラマーが最後に去る…このようなライヴ展開をしてたんだろうなぁ〜としみじみ感じてしまった。


These Charming Menはわざわざアイルランド(ダブリンだったかな?)から、フジロックのために来日。アイルランドは、モリッシーの故郷だもんなぁ…。Violet the drunkは「トリビュート・バンドだけのフェスがあったら面白いかもね!」と言った。実際、それが実現したら面白いかもしれない。私、絶対に行くと思う。


緊急発令?
フジロックでカラオケ大会を!
そして…、フジロックでもカラオケ大会をすればいいのになぁ〜と思った次第。その昔、リーズ・フェスティバルでは、メロディーメイカー主催でカラオケ大会を決行!これがなかなかの評判で面白かった。オーディエンスにジャッジさせるのだが、参加者はつわものというか、かなり音痴な輩が集うもんで…。なりきりカラオケ!いいじゃない!


フジロック最後は、渋さ知らずオーケストラのパフォーマンスに、お口あんぐり…としながらも、やっぱりフェスは楽しいんだよねぇ〜と、会場を後にした。また来年、人間らしさを求め、フジロックに行くとしよう。


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photo by U.Furukuni
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