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脚本リュック・ベッソンである。予告編からすると「レオン」のバリエーションのようだったのですごく見たかった作品。
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ボブ・ホスキンス演じる闇金の取立て屋バート、その片棒を担がされているのがジェット・リー演じるダニーという青年だ。粗末な服と食料(エサというべきか)を与えられ、犬のように首輪をつけられ地下室に飼われている。武術を叩き込まれ、まるで闘犬のように育てられた孤児だった。バートは金を返さない連中のところに乗り込み、ダニーを使って半死半生の目にあわせ取り立てるのだ。バートに首輪をはずされ「やれ」とスイッチを入れられるとダニーは殺人マシンと化し、命ぜられるまま戦い続ける。そのダニーがバートから逃げ出し、盲目のピアノマン・サム(モーガン・フリーマン)とその娘ヴィクトリアに保護される。2人に家族として迎えられ次第に心を開いていくが・・・という話。前半はギャングスター登場で、ガイ・リッチー風英国ノワールか?と思わせるが後半はファミリー映画になっていた。強引なミックスである。
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NYが舞台と思っていたのだが、景色を見ているとどうもイギリスだ。最初ロンドンかなと思った。ボブ・ホスキンスはバリバリのコックニーだし、彼の手下の兄弟もそう。でも実は西スコットランドのグラスゴーだったのだ。ちょっとえこひいきしてしまいそう。
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「首輪」がデザイン的にもすごくクール。だからちょっとヤバイんだけど、SM飼育系の要素もあるのかなと思った。でもキャスティングがまったくそれを裏切っていてほっとしたというか・・・。俳優の起用の仕方によっては、まったく違う映画になっていたと思う。たとえばボス役をジェレミー・アイアンズとかが上品かつねちっこくやって、ダニーを、アジア系だと金城武なんかの黒瞳がちの美青年が青ざめつつやってたら間違いなく飼育系になってただろうに残念だ。
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とにかく!ボブ・ホスキンス最高。ジェット・リーもオドオド感が意外とよかった。でも映画としては物足りない。モーガン・フリーマンが有名になりすぎたきらいがあるし。もう少し悲劇の要素が欲しかったと思う。「首輪」をはずすプロセスもあっさりしすぎていた。ダニーにとって「呪縛」であり「枷」であるそれをサムの娘ヴィクトリアがそっとはずすシーン。見ているほうははずしたとたんに何かが起こる・・・と半ば期待しているのだが何も起こらないのだ。もう一段階欲しかった。ヴィクトリアを傷つけるかも知れないとおそれるダニーが自ら手足を縛ってしまうとか。はずした途端にスイッチが入って彼女に襲いかかるとか。その結果ますます自分のなかに閉じこもってしまうダニー・・・とかさ。それとキーとなるピアノ曲だけど、これもモーツァルトのピアノソナタ11番だとちと地味では?
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もっと凄惨な映画を想像していたのだがアットホームな雰囲気で、結局ハッピー・エンド。ストーリーよりキャラで引っぱられた感がある。あ、キャスティングで忘れてならないのはマイケル・ジェンである。頭髪はますます薄くなり寂しいかぎりだが、レーニンに似た風貌、痩身・酷薄さで殺人ゲームのプロモーターを眉一つ動かさずキングス・イングリッシュでやっていた。いいっねー!古くは「アナザー・カントリー」や「モーリス」に出て典型的なパブリック・スクール出のお坊っちゃまを演じ、スティーヴン・バーコフの「サロメ」の来日公演にも出演。ちらちらと印象的なワキをやってるのでうれしいぜ。
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