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NMEやCMJなどのメジャー音楽誌から注目された前作「The Curved Glass」。そのアルバムを伴った初ヨーロッパツアーの成功。ホープウェルはゆっくりではあるが着実に、独自の音楽性を広めつつある。ドリーミーで、浮遊感漂う世界観、ダーク・ロマンチシズム、シネマティックな空間は、まさにホープウェルの芸術であろう。ファースト・アルバム「Contact」に比べ、スケールが増した「The Curved Glass」の力強さ、特に#7「Safe As Milk」(アルバムからの第2弾シングル)の、後半繰り広げられる、壮大で美しいサウンド・サーカスには、惚れ惚れしたものだ。
 

Hopewell, photo by Ofer Zimchi
photo: Ofer Zimchi


さて、ホープウェルは現在、ニュー・アルバム制作に勤しみ、デイヴ・フリドマン氏と、ターボックス・スタジオでレコーディングを終了し、ミックス中とのこと(このインタビューがホームページに掲載された現在、ミックスも終了した)。そんな情報をキャッチして、早速、ホープウェルの中心人物、ジェイソン・ルソーに連絡を取った。決定的にこれまでのイメージを一新、ワイルドで、ロックなホープウェルの誕生?その謎を解くために、ミニ・メール・インタビューをジェイソンと行った。






The Angel Is My Watermark, Hopewell, 2001


●新生ホープウェルは、かなりワイルドでだれもがサプライズするだろう!とおっしゃっていましたが、新しいスタイルというものを、もう少し教えていただけますか?


Jason Russo:言葉の通りだよ。僕たちはスタイルというコンセプトを完全に無視したんだ。かつて、インディー・ロック・コミュニティーにおいては、インディー・ロックっぽいサウンドを奏でるため、計り知れない精神的プレッシャーがあっただろ。僕たちはクイーンを愛している。僕たちの新しいレコードには、セリーヌ・ディオンの涙を誘い、エミネムを赤面させる曲があるんだ。


●ニュー・アルバムを制作中、特に聴いていたクラシック・ロックのアルバムはありましたか?


ああ。Let it Bleed、The White Album、Jesus Christ Superstar、John Denver and the Muppets、Magical mystery tour、Berlin、Aladdin Sane、The Cure、Jane's Addiction、Atom Heart Mother、Houses of the Holy、Black Sabbathのparanoid、QueenのGreatest hits、The Velvet Undergroundなんかだよ。70年代や80年代初期の思春期に聴いていたものと同じさ。多くのバンドはそういったことを曖昧に言及するだろ。でもほとんどが嘘をついている。全てのモダン・ロックは、僕が挙げたアルバムを真似しているんだよ。


●では、ホープウェルのニュー・アルバムから、我々はどのようなことが期待できますか?いくつか手がかりを教えてください。


僕たちのニュー・アルバムを表現するのって、不可能だなって思うよ。バード(鳥)・サウンドをかなり駆使したんだ。曲には、「鳥」のテーマが行き渡っている。それからたくさんのホーン、もし君がどんな音か想像するならば、鳥と同等な音楽インスツルメンツだよ。僕たちが(曲を)書き、発展させていたとき、「それこそ僕たちに期待されていたものだったんだ」という、僕たち自身の先入観に遭遇した。だから僕たち自身の心を無視することにして、ジーザス・クライスト・スーパースターに熱をあげたんだ。


●あなた自身、今作品で最も集中したことは何でしょうか?


タンバリン、シンギング、クラッシック・ロックのモチーフ、鳥のノイズ。


●ニュー・アルバムにおいて、あなたのボーカル・スタイルにとても興味があるのですが。それはあなたにとって、とても新しい試みでしたか?何か特別に練習したことなどありましたか?


うん、「歌う」ことが真新しくなった。以前は歌うことを表に出さず、隠すようなものとして扱っていた。以前はそれでいいと感じていたんだ。今は、はっきりと、僕たちが何を言っているのか、人々に知らせるべきだと感じている。僕たちは、まるで新しい楽器を見つけたって感じさ。僕は地元のヨガ・コミュニティーで、カータンという詠唱を習ったよ。


●「鳥のノイズに焦点をあてた」ということですが、ニュー・アルバムにおいて、「鳥」はとても象徴的なものですか?「鳥」の何に、そこまで惹かれるのでしょうか?


前作では、僕は魚にとても取り憑かれていた。ニュー・アルバムでは鳥なんだ。僕の父親は精神科医で、彼は2、3、この質問について言えることがあるかもね。


●デイヴ・フリドマンとのレコーディングはいかがでしたか?ターボックス・スタジオは美しい自然に囲まれており、リフレッシュしたのでは?


僕はキャッツキル・マウンテンのふもとに住んでいる。だから、森林にはとても慣れ親しんでいるんだよ。ジャスティンと僕は、フレドニアって、僕たちのホームタウン、ホープウェル・ジャンクションに似ているって感じた。僕たちが子供だったころ(昔)のね。そういった意味では、とてもインスパイアされたよ。ジャスティンは「雪」について、曲を書き続けていた。それも当然だと思うけどね。僕たちはそこにいることにスリルを感じたよ。何かを作りたいと感ぜずにはいられない、僕たちが作りたいと思っていた音楽のためにはパーフェクトなスタジオだ。


●ニュー・アルバムには、何曲ほど収録予定ですか?


「だいたい13曲ほどレコーディングしたよ。この時点では、全ての曲を、正式なニュー・アルバムに収録するか、定かではない。でも、アルバムではない他の形で、もしくはBサイドに収録など、全ての曲をリリースするつもりでいるよ。


●ヨーロッパでは、Zeal Records と契約をしたそうですが、この経緯を教えて頂けますか?


このレーベルは、僕たちの友人であるGeert が設立した、新しいレーベルだからなんだ。彼は僕たちの前作(The Curved Glass)とレーベル(Cutty Shark)のA&Rだった。彼はどういうわけか、ビジネス手腕と確かなミュージック・テイストを持ち合わせ、僕たちを安心させてくれるのさ。それに、彼のベルギー・アクセントはとても強くて、僕は契約しているなんて全く気づかなかったよ。僕はただ、彼に微笑んで、うなずいていただけだから!


●このレーベルはロックとエレクトロニック、2つのセクションにわかれていますが、とても興味深いレーベルに思います。あなた自身、お気に入りのレーベル・メイトはいますか?


僕がこのレーベルで気に入っているバンドはTimesboldだよ。時に、僕はとてもエレクトロニカをエンジョイするんだ。どのようにして作られたんだろう?と心配せずに、そういった音楽はエンジョイすることができるからね。


●ホープウェルは定期的にNYCでライヴを行っていますが、あなたにとってライヴとは、どのような意味がありますか?ステージでは、ホープウェルの音楽を通し、何を表現したいのでしょうか?


ホープウェルは生まれて初めて、(ニュー・アルバムに収録する)ほとんどの曲を、レコーディングする前に、ライヴでプレイした。これはとても意義深いステップだった。僕たちはたいてい、スタジオでプロジェクトを作り上げるからね。だから、ニュー・アルバムには、ライヴ・バンドの感触があるよ。NYCでスタートするほとんどのバンドにとって、それはノーマルなことかもしれない。でも、僕たちにとっては全くもって奇妙なことだった。NYCはグレイトなエネルギーがあり、とてもラウドなロックンロールに対して、唯一、正気の反応がある。それは、正しいって感じさ。


●ホープウェルは、NYCのマーキュリー・ラウンジというヴェニューで、時々ライヴを行っていますが、どのようなヴェニューなのですか?興味がありまして・・・


マーキュリー・ラウンジは、ダーティーなフロアーで、ダーティーなバーのある、普通サイズの単なるクラブだよ。でも、まともなミュージックに関して言えば、マンハッタンの中心だと言える。


●これからのスケジュールについて教えてください。サマー・フェスティバルの予定などありますか?


フェスティバルの話はいくつかあるよ。でもシングルが間に合うかどうか、否かによると思う。僕は音楽業界の都合に自分たちを合わせることはしない。


Up






http://www.hopewell.tv
http://www.zealrecords.com
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